式の計算(整式の乗法)
今回は、数学Ⅰの式の計算(整式の乗法)について解説していきます。
乗法は掛け算のことだから、掛け算を文字を使って表していくよ!
単項式の乗法
単項式というのは、数と文字だけで作られる式だったね!(2,a,3xなど)
まずは、同じ文字を掛け合わせるとどうなるのか理解しよう!
aをn個かけたものを「aのn乗」といい、anと書くんだ。n=1のとき、a1=aとなるから、注意しよう!
anにおけるnを、anの指数というんだ。つまり、指数はaが何回かけられているかを表しているんだね!
a3=a×a×a というように、nの数だけaがかけられているんだ。
また、a,a2,a3,…というようなaを掛け合わせたものをまとめて、aの累乗というんだ!
累乗はこんな風に計算することができるんだよ!
m,nは正の整数とする
- am×an=am+n
- (am)n=amn
- (ab)n=anbn
これを指数法則というんだ!これから先、ずっと使って行くものだから、しっかりと覚えておこう!
例)
a2×a3=(a×a)×(a×a×a)=a2+3=a5
(a2)3=(a×a)×(a×a)×(a×a)=a2×3=a6
(ab)2=ab×ab=(a×a)×(b×b)=a2b2
具体的な数でも見てみよう!
①3a2×a5=3×a2+5=3a7
②2x2y4×4x3y2=(2×4)×x2+3×y4+2=8x5y6
数は数、文字は文字で計算しているのがわかるね!
整式の乗法
整式の積(掛け算)は、分配法則を使うよ。
分配法則はこれだね!
A(B+C)=AB+AC
(A+B)C=AC+BC
具体例を見てみよう!
①3x2(2x2+5x+6)
=3x2・2x2+3x2・5x+3x2・6
=6x4+15x3+18x2
②(2y2+5y-4)y
=2y2・y+5y・y+(-4)・y
=2y3+5y2-4y
※式の中の・は×と同じ意味で使うから、これにも慣れておこう!
このように、積の形で表されているものを一つの整式にすることを、もとの式を展開するというんだ!
展開の公式
展開には公式があるから、一般的なものは覚えておこう!
1,(a+b)2=a2+2ab+b2 (a-b)2=a2-2ab+b2
2, (a+b)(a-b)=a2-b2
3, (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab
基本の公式は上の3つだ!これは確実に覚えておいてね
じゃ、なぜこ公式が得られるのか確認しよう!
1,(a+b)2=(a+b)(a+b)=a×a+ab+ba+b×b=a2+2ab+b2
(a-b)=(a-b)(a-b)=a×a-ab-ba+(-b)×(-b)=a2-2ab+b2
(a-b)2はb2が+になることに注意しよう!
2,(a+b)(a-b)=a×a+ab+a(-b)+b×(-b)=a2-b2
3,(x+a)(x+b)=x×x+xb+xa+ab=x2+(a+b)x+ab
3は展開して、同類項にまとめた形が公式になっているね!
今回はここまで、次は工夫して展開するにはどうすればいいのかを紹介して行くよ!
しっかりと理解して次に進めよう!